腰痛!椅子から立ち上がる時に腰が痛い
今日は腰の痛みを訴えておられた患者様を例に、スタッフでカンファレンスした症例をご紹介いたします。
実際に私たちがどうお話を聞き、どのように分析し、どのような検査をして傷病名を決定するかの参考になれば幸いです。
主訴:椅子から立ち上がる時に腰が痛い
30代女性で2週間前に椅子から立ち上がろうとしたときに腰を痛めて来院。以来、椅子から立つ時だけでなく、前かがみ姿勢での家事や車から降りる時に痛みを感じるようになりました。
整形外科でのレントゲンでは異常なし。
既往疾患は特になし。
腰の痛みの原因が分からず、2週間たっても痛みが引かないため不安とのこと。
問診での質問
STEP1 内科的な疾患が原因の腰痛では無いかを判断
代表的な腰痛を生じる内科疾患は以下の通りです。- 尿管結石
- 肝・腎・膵臓などの腹膜後器官
- 婦人科疾患
- 妊娠
Q 今までにも腰が痛かったことがありましたか?
A はい、何度か腰痛を経験しています。
Q その時と痛みは似ていますか?
A はい、似ていると思います。
Q 腰の痛みが楽になる体勢はありますか?
A はい、横になると楽になります。
以上のやり取りと痛みが出た状況を考えて内科疾患の可能性を除外。
* この時は以上のやり取りで内科疾患の可能性は低いと判断できました。
* 婦人疾患や妊娠の有無については予診票であらかじめお尋ねしています。
STEP2 整形外科疾患の腰痛では無いかを判断
代表的な腰痛を生じる整形外科疾患は以下の通りです。- 腰椎椎間板ヘルニア
- 分離症
- すべり症
- 脊柱管狭窄症
- 圧迫骨折
Q 以前腰が痛かった時に整形外科でレントゲンなど撮られましたか?
A はい、2週間前に撮りました。骨には異常なしと言われました。
Q 足にしびれや痛みはありませんか?
A 足にはありませんが、右の骨盤の横のお尻の筋肉に筋肉痛のような痛みがあります。
この患者様が訴えた骨盤の横のお尻の筋肉というのは中臀筋(ちゅうでんきん)といって、腰の5番目の神経が障害されたときによく痛みが出る筋肉です。
ヘルニアの可能性を考え、腰の5番目の神経学的テストをするも全て陰性。
徒手検査での原因の特定
整骨院で多い腰の痛みの原因は以下の通りです。- 椎間板障害
- 椎間関節障害
- 仙腸関節障害
- 筋・筋膜性腰痛
Q 痛いところを指で指せますか?
A う~ん・・このあたり全体が・・
あまりピンポイントで痛いところが分かっておられるようではない様子でした。
Q 立ったまま体を前屈したり反らすと痛いですか?
A 前に倒すと痛いですね。反らすのも少し痛いです。
Q では座って体を前屈したり反らすとどうですか?
A 座ると前に倒すのも反らすのも痛いです。
Q 座ったまま体を反らせて右に倒すと痛みが強くなりますか?
A 腰とさっきのお尻の筋肉が痛くなります。
患者様とのやり取りと検査は以上です。
痛みが出た状況と徒手検査と痛い場所から、私はL4/L5間の椎間板障害だと判断しました。
椎間板というのはヘルニアまでなっていなくても、”傷んでいる”状態になっていることが多々あります。
傷んでいる椎間板は固くなり、中の圧力が上昇することで近くを通っている神経を”刺激”し、L5神経の支配が強い中臀筋にも関連痛が出ているようです。
施術と日常生活動作指導
施術は椎間板の弾力性を向上させるリハビリとマッサージをすることで、腰痛が改善されました。しかし大切なのは”施術を受けたその時だけ楽”では意味がありません。
そのため、はる整骨院ではセルフケア指導にも力を入れています。
この患者様の場合、主訴は”椅子から立ち上がる時に腰が痛い”でした。
椎間板を痛めていると曲げた腰を伸ばすときに痛みが強くなります。
例えば
- 椅子から立ち上がる時
- 下の物を拾おうとしたとき
- 長時間の運転から車を降りる時
施術の効果をその時だけのものにしないためにも、普段の動作の見直しは大切です。
なかなか腰痛が良くならない方、是非はる整骨院の施術と一人一人にカスタマイズしたセルフケア指導を体験してみてくださいね。
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