体幹の安定性

- update更新日 : 2025年09月12日
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体幹の安定性を評価するランジ動作

四條畷市/70代女性/主婦

今回は、ランジ動作から体幹の安定性を評価した事例をご紹介します。

ランジは「脚を鍛える運動」と思われがちですが、実は体幹の安定性を見極めるのにとても役立つ動作です。

当院では、患者さんの動作を解析ソフトでチェックし、体の使い方の癖や弱点を明らかにしています。

動作解析の結果

実際にランジ動作を行ってもらったところ、次のような特徴が見られました。

  • 踏み込んだ際に背中が丸くなり、前傾が強い

  • 膝が内側に入りやすい(ニーイン)
  • 上半身が左右にブレやすい

これらは「下半身が弱い」というよりも、体幹の安定性や股関節まわりの支えが十分ではないサインです。

ランジのフォーム改善のポイント

このようなフォームの崩れは体幹不安定性のサインで、腰痛や膝の痛み、肩こりや転倒のリスクになります。

フォーム崩れと関係する筋肉・関節の制限

ランジでフォームが崩れる背景には、筋力不足だけでなく「筋肉の硬さ」や「関節可動域の制限」が関わっています。

  • 膝が内側に入る場合(ニーイン)

    内転筋や腸腰筋が硬く、股関節の外旋・外転可動域が狭くなっていることが多いです。

  • 背中が丸くなる場合(過度の前傾)

    ハムストリングスや大殿筋が硬く、股関節伸展や胸椎伸展の可動域が不足しているケースが見られます。

  • 上半身が左右にブレる場合

    大腿筋膜張筋や広背筋の硬さ、股関節内転や胸椎回旋の可動域制限が影響することがあります。

このように、崩れ方によって原因となる筋や関節は異なります。

そのため、正しく評価して個別に改善ポイントを見極めることが重要です。

動きの中で姿勢をコントロールする力

筋肉の硬さや関節の可動域を矯正したら、次は動きの修正が重要です。

  • お尻の横の筋肉(中殿筋など)の強化 → 膝が内側に入らないようにする

  • 体幹の安定トレーニング(プランクやアンチローテーション) → 上半身のブレを抑える

  • 股関節主導の動作練習 → 膝で踏み込むのではなく、股関節で体を支える感覚を習得

これにより、膝や腰に頼らず「体幹と下半身が連動した安定したランジフォーム」へと修正することができます。

まとめ

ランジは単なる筋トレではなく、体幹と下半身の協調性を評価できる動作です。

体幹の安定性が高まれば、スポーツだけでなく日常生活の歩行や階段の動作まで、体がスムーズに動かせるようになります。

痛みのある部位だけに注目するのではなく、動作そのものを分析することで、より根本的な改善や再発予防が可能になります。

当院では、こうした科学的な動作解析を取り入れて、一人ひとりに合った改善プログラムをご提案しています。

改善の様子や実際の動画解析については、後日ブログ内でまたご紹介します。

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この記事を書いた人

痛みから自由に。カラダをもっと自在に。

はじめまして、院長の藤川です。

早く正確に痛みや症状を解決するには、1人ひとりのお話をしっかりヒアリングすることから始まります。

症状についてだけではなく、普段のことや関係ないと思われるようなことでも結構です。
いろんなお話を聞かせてください。

症状で抱えている不安や悩みを話すことで、自分自身の振り返りになり、冷静に症状を分析するきっかけになります。

痛くなった原因や体の仕組みについて一緒に考えていきましょう。

これは治療の効果を高めて、自己管理のスキルを向上する役割が報告されています。
たくさん話をすることでお互いをよく知り、安心感や信頼感も生まれます。

何より、施術中に皆さんのいろんなお話を伺うことは、私にとってこの仕事の楽しみでもあるのです。
施術は真面目に、コミュニケーションは朗らかに。 皆さんのおかげで、いつも明るい雰囲気で施術は進んでいきます。

痛みによる日常生活の制限はストレスになりますし、痛みが長引けば先行きが不安になることもあると思います。
そんなお悩みや不安、ぜひ聞かせてください。

痛みだけじゃなくて、不安や心配も解消して明るい気持ちになれるように、1人ひとりにオーダーメイドで体も心もサポートさせていただきます。

はる整骨院
院長 藤川 大介

【参考文献】
1、Zeidan, F., et al. (2016). Mindfulness meditation-based pain relief: a mechanistic study. Journal of Neuroscience.
2、Ehde, D. M., et al. (2018). Cognitive-behavioral therapy for individuals with chronic pain: efficacy, innovations, and future directions. American Psychologist.