歩行改善

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股関節の痛みと歩行分析

過去5年間の間にフルマラソン6回、普段からスロージョギングを習慣にしておられる患者様の、股関節の痛みと歩行分析についてご紹介します。

動いているときより座っているときや寝ているときに股関節に痛みがあり、病院で変形性股関節症と診断されて来院されました。

股関節の機能は走っているときや歩いているときに、どのような使われ方をしているのか正確に分析する必要があります。

患者様ご自身も「極端に歩幅が狭く、歩くのが遅いことが原因ではないか」と感じておられました。

動作解析による詳細な評価

当院では、専門的な動作解析ソフトを使い、実際の歩行を細かく計測・可視化します。

その結果、この患者様は かかとではなくつま先から着地していることが明らかになりました。

解析動画のスロー再生で、つま先から着地している歩き方が確認できます。

本来の自然な歩行では、踵から着地し、足裏全体を使って体重を移動させます。

しかし、この患者様は歩幅が非常に狭く、つま先着地のために衝撃吸収がうまくできず、股関節や膝に負担が集中していました。

原因の考察

  • 長年のスロージョギング習慣により、歩幅の極端な縮小つま先着地パターンが固定化

  • 股関節の軽度変形により、自然な可動域が制限されている

  • 走行フォームを改善する機会がなく、癖が蓄積してしまった

改善の方向性

  1. 歩幅の拡大

    股関節の可動域を徐々に広げ、自然に踵から接地できるようドリル練習を行う

  2. 着地位置の修正

    つま先着地ではなく、踵からの着地を意識し、衝撃を分散するフォームを習得

  3. 股関節周囲の柔軟性・筋力強化

    大殿筋・中殿筋・腸腰筋を中心にストレッチとトレーニングを実施

  4. ジョギングフォームの再教育

    スロージョギングでも踵着地を基本とし、無理のないストライドで走れるようにする

まとめ

痛みの原因は「関節の変形」だけではなく、「長年のフォームの癖」によって作られていることが少なくありません。

当院では、動作解析によって目では気づけない異常を数値と映像で可視化し、根本原因を明らかにします。

正しいフォームへの改善は、痛みの軽減だけでなく、マラソンや日常生活のパフォーマンス向上にもつながります。

改善後の様子は、後日ブログ内で追ってご報告致します。

ショート動画でも解説しています