首の痛みに姿勢と動作改善

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主訴:首から左肩にかけて痛みを伴うコリ感

「朝起きたら首が痛い」
「デスクワークの後に首や肩がガチガチ」
「いつも片側だけ肩がこる」
このような首の痛みや肩こり感を感じている方へ参考になる症例をご紹介します

多くの方は、「寝違えた」「疲れが溜まっている」「肩がこっている」など一時的な原因を疑いますが、実は日常的な姿勢や動き方が首に負担をかけ続けていることが原因となっているケースがあります。

姿勢が首に与える影響

現代人に多い「スマホ首」や「猫背姿勢」は、頭の重さを首の筋肉で支える負担を大きくします。

頭部はボーリング球ほどの重さがあり、それが前に傾くだけで、首への負荷は2倍、3倍にもなると言われています。

例えば、猫背による首の悪影響は…

  • 頭が前に2cm出るだけで、首にかかる負荷は約2倍
  • 長時間の前傾姿勢は、首の筋肉の緊張状態を持続させ、血流を悪化
  • 結果として、コリや痛み、さらには可動域の制限につながる

ストーレートネックや首のヘルニアにつながる猫背は、多くの方が痛みの原因と直結してイメージしやすいのではないでしょうか。

姿勢と同様に動作も修正が必要

近年、姿勢と痛みの関係は研究が盛んに行われ、「見た目の姿勢」より「動きの中の姿勢」の方が、痛みと関係していることが報告されるようになりました。
長村史朗, 増渕喜秋, 中原大輔, 上村豊.姿勢の偏位と疼痛との関係.第43回日本理学療法学術大会抄録集.2008,35(2),143.

このアプローチは、手による通常の施術と組み合わせて取り入れることで優れた症状改善効果を発揮します。

今回紹介する症例でも、姿勢と動作の偏りが症状を長引かせていました。

しかし、見た目の姿勢と違って動きの中の姿勢は評価が難しく、経験や知識だけでは見方によって分析結果が変わります。

科学的なデータに基づいて、誰もが正確に評価できる方法がなければ、正しく症状を改善させることができません。

症状の改善は正確な評価から

はる整骨院では「治療して終わり」ではなく、「日常で使いやすい体に変える」ことで痛みを早く改善し、疲労の一極集中を防いで再発を防止します。

これは筋トレや運動による体作りではなく、体の使い方を見直す「動作の修正」によるものです。

姿勢 / 動作解析ソフトによる「動作の修正」前後を動画でご覧ください。
短い時間の動作指導で、下の物を拾う動作を姿勢よく保つことができるようになりました。

※左(Before)は膝が前に出て背中が丸くなるのに対し、右(After)は股関節から体を曲げることができるようになって動作中も姿勢よく保っています。

グラフで見る姿勢安定性の評価

「重心安定性」のグラフを見ると、After(赤色)はBefore(青色)に比べて、重心のコントロールが非常に狭い範囲に収まっています 。

重心の揺れが大幅に減少し、安定性が向上したことがわかります。

数値で見る姿勢安定性の評価

数値データでも、重心安定性を示す「95%信頼楕円面積」が78.14% 減少、揺れの範囲を示す「内外側動揺範囲」が47.82%減少、「前後動揺範囲」が 29.54% 減少など、それぞれ大幅に減少しています 。これは、動作中のふらつきが明確に少なくなったことを意味します。

重心が動いた総距離を示す「総軌跡長」は37.53% 減少しています、これは、姿勢を保つための無駄な動きが減り、より少ないエネルギーで安定して動作ができるようになったことを示します。

一方、単位面積軌跡長(unitSCI)は112%増大しています。

これは効率性を表わす指標で、「意識して姿勢をコントロール」しているため運動効率には課題があることがわかります。

反復練習することで脳と体が動作パターンを学習し、効率性を向上させていくことができます。

動作中の安定性変化

2つの図は、運動中の安定性と効率性を0.2秒ごとに評価し、BeforeとAfterを見比べることができます。

運動中は絶えず重心移動が行われており、どの運動位相(しゃがんだときなのか立ち上がったときなのか、など)で安定性が失われているか細かく評価することができます。

個人差のある姿勢安定化戦略

このグラフでは、重心感覚で姿勢を安定させようとしているのか、筋力で姿勢を安定させようとしているのか、その人がどちらを優先して選択する傾向にあるかを表わしています。

このグラフからは、筋力で姿勢をコントロールさせようとしている傾向が読み取れますが、縦軸も横軸も1.0以下ですので非常に高い精度でコントロールできていることがわかります。

結果

このグラフではBeforeとAfterで左下の角に近いほど、姿勢が改善したことを示します。
わずかな動作指導で姿勢を上手に安定させることができるようになりました。

正しい姿勢や動作を獲得することは、患部に偏って蓄積していた疲労を分散させて、組織の修復や機能の改善を促す優れた効果が報告されています。

  • どこに行っても痛みや症状が良くならない。
  • 気がつけば猫背になっている。
  • いい姿勢をキープするとすぐに疲れる。

このようなお悩みは、はる整骨院へご相談ください。
※姿勢や動作の分析は院長の藤川にご用命ください。