投球フォーム改善
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大学野球ピッチャーの肩の痛みとフォーム改善
肩の痛みを訴えて来院した大学野球ピッチャーの事例を紹介します。
すでに、半年間病院で肩のインナーマッスル強化に取り組んできましたが、投球時の肩の痛みが再発し、思うようなパフォーマンスが発揮できなくなってしまいました。
投球フォームを動作解析ソフトでチェックしたところ、投球時に腕の動きが「ダブルプレーン」と呼ばれる、肩に負担のかかりやすい軌道になっていることが分かりました。

画像では踏み込んだ足と赤い重心線が重なっているので、うまく体幹をコントロールできていることがわかります。
学生ピッチャーは線が細くて骨盤が後ろに倒れたり、体が早く開きすぎることが多いのですが、このピッチャーは下半身が安定した投球フォームを獲得できています。
一方、腕の振りを見てみると、上腕は横回転、前腕は縦回転になっているのがわかります。
この2種類の回転が「ダブルプレーン」の特徴です。
このフォームでは、どれだけ筋力をつけても肩へのストレスが減らないため、フォームそのものを「シングルプレーン」へ修正する必要がありました。
下半身の安定性は問題ありませんでしたが、上半身と腕の振りの連携に問題があったので、胸椎(背中の上部)の回旋や体側のしなり(サイドベント)を引き出すドリルを中心にトレーニングを行い、投球動作を見直しました。
このようなアプローチや科学的な検証や分析が欠かせません。
肩の治療というと、つい痛みのある部分だけをケアしがちですが、本当の原因は動作やフォームに隠れていることが多くあります。
専門的な分析を行うことで、改善すべき課題がはっきりと分かり、再発予防にもつながります。
これからの試合での活躍がますます楽しみな選手です。
改善後の様子は、後日ブログ内で追ってご報告致します。